あなたへ

友達が1人しかいない、じゃなくて、最高の友達が1人もいる

比喩とかじゃなくて、友達が1人だけしかいないのを高尚にしてるとかでもなくて、最高の友達がいて、それが嬉しいからこう言った。

でも、最高の友達には普通の友達がいて、私の友達の数と最高の友達の友達の数は不等式で成り立つ。

 

私の友達の数<最高の友達の友達の数

って感じで

 

色々考えながら寝室のエアコンをつけていたけどくっさ。ありえない おじさんの汗の匂いに近い匂いがする この話を友達にしたい。牧山にしたい。

明日のスクールバスで話そう。

 

 

いつも牧山は窓側に座って、その横に私、後ろに知り合いが座っていたのに、最近は来るタイミングのせいか知らないけど知り合いに牧山の隣を取られている

しかも昼も一緒に食べれなくなった

知り合いが牧山を奪っている

許さない

お前部活中も部活帰りも牧山と一緒なんだから譲れや

大きい声で言いたかったけれど私は友達が1人しかいないから、コミュニケーションが得意じゃないから、言えなかった 当然牧山にエアコンの話が出来なかった

でも牧山は私といた方が楽しいって言ってくれたし、それだけで十分と思いたかった

 

牧山と話せないスクールバスですることはないからイヤホンをつけて曲を選んだ。

HOWEVERが流れた。GLAY

これは牧山がカラオケで歌うやつ

Vinyl Change The Worldも、表参道26時も、やさしくなりたいも、TIMELINEの終わりも、全部牧山がカラオケで歌うやつ

今聴くと泣きそうになっちゃうから全部スキップした

ようやく牧山が歌ってない曲になった

 

あなたへ

 

合唱曲のやつ

 

合唱曲って

 

これ聞いて登校するのかよ

 

そっか

 

バスで寝て起きたら

牧山と知り合いが前の席で喋ってた

 

今日も隣を取られて悔しかった

でも後ろの席に座った瞬間、パチンと視界が弾けて、暗転して、明転した

顔を上げたら何故かバスに乗ってなくて、色がない空間にいて、白?白いのに白を感じない怖い空間、透明なのかな?まあ空間にいて、遠くに小さく牧山と知り合いが見えていた

 

牧山が笑っている、知り合いと笑っていた

悲しかった

ちょっとだけ近づいた

牧山は笑っている

笑っているけど、困った顔をしている

知り合いよく聞たら私の悪口言うてんな

ふざけんな

ふざけんな!と思って声に出したらすごい速度で知り合いに向かって高速射出された。

私が。

知り合いを吹き飛ばした。知り合いは空間の天井に刺さった。

牧山を見たら、さっきより笑っていた

「牧山私とお弁当食べようよ」

「食べたい」

「スクールバスで隣に座ろうよ

」「座りたい」

もう1回笑って、牧山は空間のドアを開けた

ドアあったんだ

 

空間から出た

ドアの本来ならネームプレートを貼るところになんか書いてあった

 

あなたへ

 

いやキモすぎるけど キモイポエムみたい

 

やめてくれやと思いながら牧山に向けて指をさして見せた。

 

「え、キッモ」

さすが牧山〜